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2020年10月

10月に入りやっと涼しくなり天高く馬肥える秋を感じます。9月が暑かったこともあり朝夕は冷ややかさを感じます。油断をすると風邪を引きそうな気候ですので皆さんくれぐれも気をつけてください。今年は風邪をひくとコロナと言われそうで身の置き所がなくなるような気がします。気が付いたのですがこの気まぐれも18年目に入ります。

毎月こうして記すことが出来るのも本当に皆さんのお陰です、感謝!

コロナ禍の中で菅政権が発足しています。前例に囚われず業務を見直し規制改革を進めるということを高らかに、菅政権は世の中には相当に受け入れられています。しかし、私は規制改革と聞くと2年前を思い出します。安倍政権が市場法を無くすという閣議決定をしたことを。民営化というととても耳障りが良く万人に受け入れられます。しかし、警察や消防署の民営化と皆が聞いたらぞっとするのでは?それは警察や消防署は公共性が高いためにやはり国の主導で税金を使用して行うことが公平性を保つのに良いからです。交通事故を起こした時に「3分以内に現場に行くには2万円かかります、一時間以内でよければ2000円となりますがどちらがいいですか?」と消防署が民営化されたら言うのでしょうね。公共性ということは国民皆の権利を守るためにはとても大切なものだというのは間違いの無いことだと思います。

卸売市場を民営化することを絶対に反対をするのではないことを前提にここに記させてもらいます。卸売市場というのは世間には分かりづらい様です。卸売会社と仲卸会社と2つの機能があり、マスコミ等も卸売市場があるから流通コストが高くなると言われます。特に道の駅などが近年流行り生産者から近いので鮮度良く安く買うことが出来ると言われます。しかし、その道の駅までのガソリン・速代を考えると本当に安いのかを疑います。近所のスーパーでの生鮮品は市場流通が主です。その物流費は確かにかかります。仮に名古屋市民全員が知多や渥見又信州まで買い物にいく物流費を考えてみてください。その比ではありません。また、宅配便で商品を集めカレーを作ろうと思ったら現在なら北海道の生産者から玉ねぎ20k馬鈴薯10k人参10k調達しなければなりません。ひと家族のカレーライスにこんなに沢山の量は必要ありません。玉ねぎ馬鈴薯人参を全て同じ生産者が作っている訳ではないのでその宅配料金はそれぞれの品目にかかる可能性もあります。仮に玉ねぎ1k人参5本などと必要な分だけを購入しようとした時の物流費は恐ろしい限りです。卸売市場においては、南は沖縄・北は北海道から卸会社が商品を集荷します。それを仲卸が小売店の注文などにそって値段と量を決めながら買うことによって相場が決まっています。言うなれば、卸売市場の中で卸会社は生産者の代表、仲卸は小売店の代表として需要と供給のバランスを取っているのです。そもそも中央卸売市場を作るきっかけになったのは米騒動からです。皆に安定した商品を届けるにはとても良い仕組みです。その上安心安全というキーワードが現代には必要なのです。だから、高い公共性のある場所で生鮮品を売買することはとても重要です。今でも我々の売買単価は新聞で公表されています。民営化するためにはこの高い透明性と共に公共性というキーワードがとても重要になると思います。だからこそ開設者は民間ではなく市や県の役所がしっかりと関わることが必要だと思うのです。

菅総理の言う規制改革に大変に怖さを感じています。