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2019年1月

今年は暖冬傾向の昨年末より例年並みの気温となり、鍋物商材が年始より動いていると感じます。予測していたよりも落ち着いた相場でキャベツ・白菜が動いています。昨年10月の台風の時に加工業者の方が輸入野菜の契約をある程度したために落ち着いた相場であるという話も聞いております。これが事実であると、諸外国に生産を頼らねばならないのかと思うと、日本の農業の衰退が速度を増すかもと大変に心配になってきます。
 私自身平成元年に石橋青果に入社して、社会人のキャリアのほとんどを依存しています。年末年始より「平成最後」という言葉が大変に聞かれます。現在産業革命が起きているという事を言われますが、その平成を振り返ると「成程」と感じずにはいれれません。
 パソコンという物が出てきたのが昭和50年代の初めごろだと思います。それまではコンピュターというと現在のスーパーコンピューター並みの大きさであり高価なものであり庶民には全く関係のないものでした。パソコン(PC)はパーソナルコンピューターの略称です。私は6歳上の兄がNECのPCを買ってきたことを鮮明に覚えています。因みにその時は8ビット・・・。利用方法は限られ通信などの機能は全くありませんでした。それが、10年の間にPCと通信がつながり、PCの性能アップと通信回線の向上によりインターネットが普及し世の中が大きく変化してゆきました。CDが登場しレコード盤というのはほぼなくなりました。デジカメが登場しフィルムそして写真という物がほぼなくなりました。レコード針の会社のほとんどがなくなり、世界最大のフィルムメーカーは会社の方向性に苦しんでいるようです。変わったのは、商品だけでなく生活様式と人との関わり方も大きく変化したと言われます。昭和の人間は画一化した人間であり、働いてお金を稼ぐことに大きな価値観を感じている世代です。ゆとりの時代と言われた平成の世代は多様性の世代だといわれ、お金に大きな価値を感じず自分の時間や自分の生き方に大きな価値観を感じています。よって、若い方の消費減は社会の活性化に影響を与えています。現在20歳前後より若い方は、幼少期からタブレットやスマフォに親しみ、多様性から個人の世代だと言われているようです。部活の指導方法に疑問を感じたらそれをSNSに上げて、社会からの賛同を得る。個人の世代では当たり前なのでしょう。暴力は論外ですが先生等の批判をすることをタブーとされて育った私からすると何か違和感のある人間関係ですが、それがこれからの社会の常識になってゆくのだと思います。明治・大正・昭和の三世代を生きてきた方を私は全く考え方の違う頑固者ととらえていましたが、昭和・平成・そして新しい元号を迎えるに当たり、現在二十歳以前と共に新しい元号世代は、我々のことを全く異なった考え方の世代であるととらえるのだと思います。
 先月も記しましたがここ数年の日本の変化は私の想像をはるかに超えるものになるのだろうと考えます。だからこそ、自らの原点を見直す必要があると思い、今年の私の年間テーマは、「原点と未来」としております。原点をしっかりとらえて、自分が何者であるか、自社の売り物とお客さんは誰であるのか、をしっかりと踏まえ未来を考えることが必要な一年だと考えています。AIの進化により、正しいのはどちらと聞けばAIが答えてくれると言います。しかし、我々はAIに使われてはいけない、AIをしっかりと使いこなしてゆくことが必要なのです。これからの新しい技術にも迷うことのなく、原点をしっかりととらえながら未来に臨むことのできる人物になります。
 今年一年、どうぞよろしくお願いします。